精錬所「ヒーロー乾電池」

2008

《精錬所》は日本の近代化における「廃墟」に、戦後日本文化を表象した「廃屋」をコラージュし、建築の機能と一体となった六つの作品により構成された、「日本」へのメッセージである。それらの作品は総称として《ヒーロー乾電池》と名付けた。 (「柳幸典 犬島ノート」解説より)







イカロス・セル

映像、鏡、磨りガラス、音響、太陽光







ソーラー・ロック

三島由紀夫「松濤の家」の廃材(三畳間、玄関)、犬島石の一枚岩(44トン)、水、犬島スラグ、電球、太陽光







スラグ・ノート

三島由紀夫「松濤の家」の廃材(洋室)、犬島スラグ、鉄板、電球







イカロス・タワー

三島由紀夫「松濤の家」の廃材(階段、建具、衛生陶器)、犬島スラグ







ミラー・ノート

三島由紀夫「松濤の家」の廃材(四畳半間)、映像、鏡







ソーラー・ノート

三島由紀夫「松濤の家」の廃材(八畳間、瓦)、カラミ煉瓦の破片、金メッキの鉄板、鉄枠


犬島アートプロジェクト「精錬所」(2008- / 岡山)


犬島アートプロジェクトは1995年に柳によるコンセプトの提示から始まった。そのコンセプトは、産業遺跡(1909年に建設された銅の精錬所、1919年に閉鎖)をアートワークとして再生させるというもの。着想から10年以上の時を経た2008年に、この遺跡は美術館として生まれ変わったが、その特異な外観は保持されたままである。

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